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更新年月日:2019年04月20日 

サツマイモの栽培事例

http://wizardyuuyuu.shikisokuzekuu.net/SweetPotato/SweetPotato2.htm

 

目次

 薩摩芋の保存(越冬)方法 
 最高最低気温 
 薩摩芋の芽だし事例 
 苗床作り 
 苗づくり用トンネルの事例 
  薩摩芋の植え方
  苗床用ビニールトンネルの作り方
 苗づるの切り取り
 活力ある発根苗の作り方
 定植 
 定植手法の図解 
 手入れ
 収穫  

【薩摩芋の保存(越冬)方法】

 さつまいもを柔らかいブラシで皮に傷をつけないように洗うか、泥つきのまま日陰で 3〜5日乾かします。 乾いた泥は手ではらい落とし、ひとつずつ新聞紙でくるみ保存します。 長期保存は段ボールの底にレジ袋などのビニールを敷き、その上に新聞紙を敷き、種イモを個別に新聞紙で二重に包み段ボールに詰めて、薩摩芋の貯蔵温度:12〜15℃貯蔵湿度:80〜90%と言われている、この条件を保つ。 食用にするならこの湿度に保つ必要はあるが、種イモとする場合にはもっと低い湿度でも大丈夫です。 保温庫は五千円程度から販売されているが、居間に冷蔵庫がある場合などでは冷蔵庫の上などでも十分越冬できる場合もある。 炬燵霧吹を使用すると簡単に越冬できます。 発泡スチロールなどの容器に入れて密閉したり長時間10℃以下なら腐ります

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 【最高最低気温

 福山市の場合、下表を見ればわかるように、薩摩芋の越冬(12〜15℃萌芽(25〜32℃の条件作りが必要です。

 広島県 福山市の年間月別平均気温(最高・最低平均気温)(気温:℃)

01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月

12月

平均最高気温 9.2 9.5 12.8 18.6 23.1 26.4 30.5 32.0 27.7 22.4 16.8 11.8
平均最低気温 -0.4 -0.3 2.5 7.8 12.5 17.9 22.3 23.1 19.0 12.2 6.5 1.5

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 【薩摩芋の芽だし事例

 段ボールの底にレジ袋などのビニールを敷き、その上に新聞紙を敷き、種イモを個別に新聞紙で二重に包み段ボールに詰めて、下図100円ショップにもある温湿度計等により、薩摩芋の萌芽温度 25〜32℃湿度 80%以上炬燵霧吹を使用して維持管理すると、容易に発芽します。 

 

  

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苗床作り】

 薩摩芋の苗を作るには、苗床つくりから始めます。 時期3月下旬〜5月上旬種芋を植えて、約40〜50日で苗が出来ます。 10℃以下では腐るので、お住まいの地域や植える時期にもよるが、土・堆肥・クヌギ(どんぐりの木)の葉・米糠・籾殻等を混ぜそこから発生する発酵熱と、太陽熱により上昇した苗床の温度をビニールトンネルで覆うことによる保温効果を利用するなら、気温の低い地域や早い時期でも植えることができます。 農業用温床線農業用温床マット等もあるが、これらで、サツマイモの育苗に必要な温度である 20〜27℃の環境を作ります。 薩摩芋は、通常 6月末までに苗を植えます。 6月末までにできるだけ多くの苗を作ろうと思えば早く植えます。 暖かい地方や暖かくなって植える場合は、ビニールトンネルだけの保温や保温対策なしでも大丈夫な場合があります。

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 【苗づくり用トンネルの事例】

 【薩摩芋の植え方】 

 圃場の温度が萌芽温度(25〜32℃)以下では発芽させた種芋を植えます。 種芋一つで、20本程度の苗が取れます。 種芋は長いので横に寝かせた状態で植え、土を1cm程度かけるように植えます。 幅 1mの下記苗床の場合は、 2条( 2列)で 20〜30cm間隔に種芋を植えられます。 間隔は広いほうが当然太い良い苗が作れます。 

 【苗床用ビニールトンネルの作り方

 ビニールトンネルの長さ・発酵熱発生用の穴の長さは、採苗の量に合わせて調整下さい。 

発酵熱を発生させる穴の寸法 = 長さ:4m × 幅:70cm × 深さ:30cm
苗床の寸法 = 長さ:4m(傾斜部を含む:5m)× 幅:1m(この中央部の下に上記穴がある)
トンネルのアーチを作っている骨組み 6割竹の長さ:2〜2.2m、土に埋まっている部分の寸法:両側各:20〜30cm
強風で呷られてもビニールトンネルが捲れないように抑える 6割竹の長さ:上記と同じ  2〜2.2m
強風がトンネルの裾から入らないように、トンネル両側に幅:7cm ×長さ:2mの板を置く

  

※ ビニールトンネルのアーチ状の骨組みは、くねくねと曲がるグラスファイバーポールを使用した場合、古くなるとガラス繊維が手に刺さるものがある。 これが刺さると何時までも痛く、硝子繊維は細くて見えないので抜き取ることもできない。 トンネル アーチ(金属パイプ製)か、6割竹で自作するのが無難。 6割竹の作成は竹割り工具を使用します。 等では上手く作れません。 6割竹の断面(下図)の角(赤丸部分)は鎌などで丸みを付けないとビニールが破ける場合もあリます。 

 

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【苗づるの切り取り】

  苗づるをどのように作ればよいか、定植手法により多少寸法の違いはあるものの、サツマイモの苗の取り方は、下記を見れば解ります。 ツルが苗として必要な寸法の 15〜30cm本葉 6〜8 枚ほどで、ツルを切り取りそのツルを苗とします。 最初の採苗は、後で脇芽からも採苗することを考慮して、種イモから出たツルをすこし長く伸ばして切り取ります。 次の採苗は下図のように茎と葉柄の間に出た脇芽を大きく育てて苗として切り取れば多く苗を取れます。

 

 

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活力ある発根苗の作り方】

 葉柄の根元(茎との分岐点)が湿潤な環境にあると発根する。 100円ショップのバケツを使うのが置き場所や保湿管理が簡単。 採苗し 10本程度を束ね 採苗の30分後に、切り口付近が水に漬かるようにバケツに入れておくと、萎れた葉は勢いを取り戻し、葉が水に浸かっていなければ腐ることもなく安心できます。 束ねた苗をできるだけ多くバケツに入れておく(苗が少ない場合はインスタントコーヒー等の広口の瓶等に入れておくか、厚みのある適当な紙やレジ袋に包んで入れておく)と、苗の周囲全体が湿潤な環境となり、数日置くと水に漬かっていない先端に近い葉柄の根元からも発根が始まります。  発根した根の長さが3mm以上の場合は、定植時に根が根元から折れる場合があるので、発根したら根が長くならないうちに定植します。

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定植

 薩摩芋は猪の好物です。 猪の入らない場所や対策をした圃場に植えてください。 畝幅:60cmなら1条植え、畝幅:1mなら2条植えられます。苗の間隔は 30cm〜60cm 間隔(間隔が狭いと芋が大きく育たない)。 雨天や曇天に植えると葉が萎れることなく、定植後の成長が早くなります。 苗は先端部(生長点)と全ての葉が地表に覗くように植えます。 苗の植えつけ手法も色々あり、そのやりかたで芋のつきかたが変わります。 下図『水平植え』の事例が、芋の大きさが揃う収穫量の多い手法です。 土に埋めた葉柄部の根元から多くの根が発生しますが、芋として太く成長するのは各葉柄の根元から例外もあるが 1〜2個程度ですから、土に埋めた葉柄の根元の数で取れる芋の数が左右されます。 葉が萎れて枯れた場合でも、例外はあるが茎までは枯れないのが通常で、活着すれば茎の先端から成長を始めます。

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【定植手法の図解】

水平植え(黄色が土で苗を埋める部分)

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手入れ

 ツルの途中から出た根が土に入るのを放置していると芋が大きく育ちません。 夏の強烈な日光の下で育つのが薩摩芋ですが、雑草に埋もれてしまうと芋が大きく育ちません。 除草を兼ねてツル返し(植えた畝の全てのツルを片側に引き倒してゆき、しばらく置いて反対側に倒してゆく)を2〜3回実施し茎の途中から出て土に入った根をツルから切り離さないと、つるボケして芋が育ちません。 芋が肥大してくると土の表面に亀裂が出来て、放置しておくと芋が害虫や鼠などの食害にあうのでツル返しと同時に土寄せをします。薩摩芋は空気中の窒素を肥料として取り込むので、前作の肥料で十分で、肥料の多い圃場では蔓ボケして芋が付きません。

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収穫

 大きすぎると調理に困ります。 試し掘りで適当な大きさを確かめて収穫します。 10℃以下では芋が腐ります。 できれば霜の降りる前に収穫を終えてください。

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もっと詳しい解説は『サツマイモの苗づくりと定植の仕方』を参照ください。