薩摩芋苗切り出し定植育て方

苗づるの切り出し方

  苗づるの切り取りは、定植手法により多少寸法の違いはあるものの、 ツルが苗として必要な寸法 15〜30cm、蔓の先端から数えて本葉 6〜8 枚ほどを苗とし、残る葉が 4 枚以上となる蔓から苗蔓を切り取ります。 下図では、小さい葉(番号14〜18)は無視し、 4枚以上の葉が残るようにします。 最初の採苗時期は遅くなるが、残す部分が多いほど脇芽が多く出て、次の採苗数が多くなります。 福山市南部なら 6 月中に採苗すれば、薩摩芋の収穫は可能なようです。 切り出した苗づるは、日陰で 30〜60分間放置して葉を萎れさせます。 その後 5cm程度水を入れたバケツなどに切り口を浸けて 1〜3mm程度発根したら定植します。 茎と葉柄の分岐部分が湿潤な状態ならそこから発根します。 水に浸かった葉は腐るので、葉が水に浸からない様にします。 蔓の先端近くまで湿潤な状態に保つ為に、30本程度の苗なら100円ショップのバケツ、10本程度ならインスタントコーヒーの空瓶や上部を切り取ったペットボトルなどに入れて、発根を待ちます。 

苗づるの植え方

 ケラやコガネムシの幼虫による食害を避けるにはダイアジノン粒剤、線虫予防にはネマトリンエース等を鋤き込んだ約30cmの高畝に発根した苗づるを定植します。 定植間隔は50cm程度で、畝上部の幅60cmなら 1条植え、1mなら 2条植えも可能です。 下図は水平植えで黄色の部分が土に埋める部分で、植え付け深さは 5〜7cm程度にします。 土に埋める部分が長いと、芋は小さく数が多く取れます。 数は少なくても早く収穫したいなら、茎と葉柄の分岐部分 3ヶ所程度を土に埋める斜め植えとします。 右上図のように例外もあるが土に埋めた各葉柄の分岐点に、0〜2個の芋が付きます。

育て方

薩摩芋は猪の好物です。 猪等の獣害対策を実施して植えて下さい。 定植後活着するまでは毎日水を遣り、 活着したら基本水遣りは不要ですが、土中水分不足が続き雨が降ると、芋に亀裂が入り収穫できなくなる場合もあるので、土中水分が不足ぎみなら、水やりが必要です。 伸びた蔓から土に根を下ろすと蔓ボケして芋が付かないことがあります。 除草を兼ねて、蔓から土に下りた根を千切るため、収穫までに 2〜3回蔓返しをします。