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更新年月日:2021年01月25日

健康長寿食品

サツマイモの苗づくりと定植の仕方

by ゆうゆう 

 当 Web ページは、家庭菜園で初心者でも可能な薩摩芋の保存方法・越冬方法・植え付け方法・苗の作り方・苗取り方法・定植方法・育て方・調理方法・薩摩芋本来の甘味・成分・効能など、先生方の記載された Web ページの紹介と試した結果などについて記載しました。 関連項目には、リンクを張り、写真を添付、図解するなど初心者向に配慮して記載しています。 当文書を読んで実施した結果、いかなる損害が発生しても一切保証は出来ませんのであらかじめ了承願います。 

 


目次

  始めに
1. 薩摩芋の保存(越冬)方法
  種芋の保存事例
2. サツマイモの種芋やポット苗からの苗の作り方
  苗床作り
  苗づくり用トンネルの事例
3. 薩摩芋の消毒と芽だし
  薩摩芋の消毒
  最高最低気温
  薩摩芋の芽だし 
  薩摩芋の芽だし事例
4. 薩摩芋の苗づくり
  良い苗とは
  苗づるの切り取り
  苗の消毒
  採苗後放置
    1.採苗後 2〜3時間放置
    2.採苗後 30分放置
  苗を発根させる手法(元気の良い苗を作る手法)
5. 肥料
  収穫量を多くするには
6. 病害虫の予防
7. 苗の取り置き効果と苗の根だし
  薩摩芋採苗後の定植時期
  活力ある発根苗の作り方 
    ポット苗(苗づくりの為の苗)
8. 定植(芋づる苗の植え方)
  薩摩芋の地域別定植時期
  プランター栽培
  圃場と定植寸法(土に埋める部分)
  定植手法の図解
  二葉苗の定植
  苗の取り置き効果を比較
  一葉苗
9. 薩摩芋の育て方(薩摩芋の作り方)
    採苗 (薩摩芋の苗が数倍になる苗の増やし方)
  手入れ
10. 薩摩芋の収穫
  薩摩芋汁による黒い汚れやネバネバの落とし方
11. 薩摩芋の食べ方(調理方法)
12. キュアリング処理と貯蔵
13. 薩摩芋の種類と特徴、育て方など
14. 薩摩芋の効能

 

始めに

 2014年2月は異常気象で、8日の朝起きたら大雪であった。 広島県福山市の当町内では積雪が体験上多い年の 2倍であった。 福山市の最低気温は、2月6日:-2.4℃・同9日:-2.0℃・同11日:-3.3℃・同16日:-1.9℃・同20日:-2.6℃と寒い日が続いた。 当町内会で唯一、毎年種イモの越冬に成功されている方のお家でさえも全ての芋が腐ったそうだ。 実は、このお家から頂いた芋が紫芋で、収穫量も多く、紫芋の中ではとても甘味が強くて美味しかった。 紫芋にもいくつか種類があり、簡単に入手して試すわけにはゆかない。 名前が解らない芋なので、これを種イモとして絶やさないようにしたく、『 sweet violet 』(甘紫・スウィートヴァイオレット)と名付けて数年前から越冬させることに挑戦していた。 薩摩芋は熱帯地方が原産なので、福山市では種芋の越冬と萌芽が難しいのだが、特別に寒い年にもかかわらず、我が家で越冬から収穫まで成功したので、薩摩芋栽培関連のコツなどを纏めて見た。

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1.薩摩芋の保存(越冬)方法

 冷蔵庫の上が良い、天井にぶら下げておくのが良い、炬燵が良い、など先輩方から教わった複数の手法の中から我が家で色々試して、2014年には越冬に成功したので、種芋を頂いたお宅にもお返しできた。 薩摩芋の原産は中央アメリカ、南アメリカ大陸ペルー熱帯地方とされる。 別名は、甘藷(かんしょ)、唐芋(からいも、とういも)、琉球薯(りゅうきゅういも)と云われる。 薩摩芋の貯蔵温度は 12〜15℃、薩摩芋の貯蔵湿度は 80〜90%と言われている。食用にするならこの湿度に保つ必要はあるが、種イモとする場合にはもっと低い湿度でも大丈夫です。 日本は南北に長く、お住まいの地域に合わせた貯蔵条件作りが必要となる。 沖縄県那覇市の場合は最低気温が12度以下になることはないので問題ないが、広島県福山市では保温が必要になる。 家庭菜園では投入経費を販売利益で捻出できるわけではない。 家庭菜園の種イモを薩摩芋の長い休眠期間である 11〜3月の五ヶ月間この貯蔵条件を維持するのは簡単ではない。 甘くて多収穫の近所で頂いた芋が名前がわからないし、販売されている芋を見ても見分けがつかない。 小生にとって面倒でも、種イモとして越冬させる努力してみる価値のある美味しい芋である。 越冬手法は『家庭菜園の野菜カレンダー・肥料・農薬・農機具・レシピ』にも記載しているが、初年度から成功したわけでもなく、お住まいの地域の平均気温や、ご家庭の条件により異なるので、これなら経費もかからず確実と云える事例等はない。 越冬の温度・湿度は調査して解っているので、各ご家庭に合った手法を試して下さい。 お金の使い道に困っている方で市販の品を購入するなら『育苗 サーモ』等をご覧ください。 

 【種芋の保存事例

 適当なサイズの段ボール箱を用意し、底にレジ袋などのビニールを敷き、その上に新聞紙を数枚敷き、調理に適切な大きさの種イモを洗って乾かし、個別に新聞紙で二重に包みます。 これを準備した段ボール箱に詰めて、下図100円ショップにもある温湿度計等により、安価な湿度計には誤差が大きいものもあるので注意は必要だが、薩摩芋の貯蔵温度と貯蔵湿度である 温度:12〜15℃、湿度:80〜90%を炬燵あんか(行火電気毛布等と霧吹を使用して維持管理すると、容易に越冬できます。 

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2.サツマイモの種芋やポット苗からのの作り方

 薩摩芋の「苗づる」を作る苗取りの方法には、複数の手法があります。 通常さつまいもの種芋を植え付けることから始めます。 保存していた薩摩芋や、食品スーパーで購入したサツマイモを植えて、種芋から育てます。 5月の初旬に苗蔓を買って植えたのなら、その苗蔓から苗を作ることもできます。 3月頃から販売されているポリポット(ビニールポット)に入った「ポット苗」を植えて、伸びた蔓から苗を作ることもできます。 ポット苗には発芽した小さめの芋をポットに入れたものや、苗づるをポットに挿して発根させたものもあり、何れも苗づるを作るためのものです。 さつまいもは熱帯地方が原産ですから気温と湿度の維持管理が大切です。 ゆうゆうの菜園は「広島県福山市神辺町」にあリます。 下図では、温暖地(黄色の領域)に当たります。 日本は、南北に長く標高の差も大きいので、気温等の数値データを明記したり、地域ごとの数値データにはリンクを張って失敗しないように、配慮しています。 

 

  【苗床作り】

 薩摩芋の苗を作るには、苗床つくりから始めます。 時期3月下旬〜5月上旬種芋を植えて、約40〜50日で苗が出来ます。 10℃以下では腐るので、お住まいの地域にもよるが、土・堆肥・クヌギ(どんぐりの木)の葉・米糠・籾殻等を混ぜそこから発生する発酵熱と、太陽熱により上昇した苗床の温度をビニールトンネルで覆うことによる保温効果を利用します。 農業用温床線農業用温床マット等もあるが、これらで、サツマイモの育苗に必要な温度である 20〜27℃の環境を作ります。 薩摩芋は、通常 6月末までに苗を植えます。 6月末までにできるだけ多くの苗を作ろうと思えば早く植えます。 暖かい地方や暖かくなって植える場合は、ビニールトンネルだけの保温でも大丈夫な場合があります。

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 【苗づくり用トンネルの事例】

 種芋は発芽させたものを植えますが、種芋一つで、20本程度の苗が取れます。 種芋は長いので横に寝かせた状態で植え、土を1cm程度かけるように植えます。 幅 1mの下記苗床の場合は、 2条( 2列)で 20〜30cm間隔に種芋を植えられます。 間隔は広いほうが当然太い良い苗が作れます。 ビニールトンネルの長さ・発酵熱発生用の穴の長さは、採苗の量に合わせて調整下さい。 

発酵熱を発生させる穴の寸法 = 長さ:4m × 幅:70cm × 深さ:30cm
苗床の寸法 = 長さ:4m(傾斜部を含む:5m)× 幅:1m(この中央部の下に上記穴がある)
トンネルのアーチを作っている骨組み 6割竹の長さ:2m、土に埋まっている部分の寸法:両側各:20cm
強風で呷られてもビニールトンネルが捲れないように抑える 6割竹の長さ:上記と同じ 2m
強風がトンネルの裾から入らないように、トンネル両側に幅:7cm ×長さ:2mの板を置く

  

ビニールトンネルのアーチ状の骨組みは、くねくねと曲がるグラスファイバーポールを使用した場合、古くなるとガラス繊維が手に刺さるものがある。 これが刺さると何時までも痛く、硝子繊維は細くて見えないので抜き取ることもできない。 トンネル アーチ(金属パイプ製)か、6割竹で自作するのが無難。 6割竹の作成は竹割り工具を使用します。 等では上手く作れません。 6割竹の断面(下図)の角(赤丸部分)は鎌などで丸みを付けないとビニールが破ける場合もあリます。 

 

少量の苗を作る場合で、4月下旬以降の気温・地温が上昇してからなら、ビニールキャップ行燈等でも良いでしょう。 既製品もあるが、温度を上げるには透明なレジ袋やごみ袋ワイヤーハンガー、川土手などから適当な竹を持ち帰える等、工夫すれば良い。

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3. 消毒とだし

 【薩摩芋の消毒

 無菌苗を作る培養苗と云う手法もある。 これはイモの芽からウイルスに侵されていない「生長点」と呼ばれる組織を取り出して培養し、苗まで生長させる技術をいいます。 培養して得られる苗(培養苗)は、ウイルスのない状態(ウイルスフリー)となりますが家庭菜園では無理なので、 前年収穫し、自宅で越冬させた薩摩芋、もしくは食品スーパー等で購入した薩摩芋を種芋とします。 病気予防の消毒で 48℃程度のお湯に40分間浸します。 別途お湯を沸かして置き、継ぎ足して 47℃程度は確保するようにします。 これで消毒された種芋をつくることはできますが、温度を一定に保つのは大変です。  ここで使用する温度計は気温を測る50℃の温度計では壊れる可能性が高いので[クッキング温度計]を使用します。 消毒しなくても大丈夫な場合もあり、採苗後にも消毒は可能です。 

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 【最高最低気温

 福山市の場合、下表を見れば、薩摩芋の越冬(12〜15℃)と萌芽(25〜32℃)の条件作りがむづかしいのを理解できます。 その他の地方の方は、下記『過去の気象データ検索』をご覧下さい。

 広島県 福山市の年間月別平均気温(最高・最低平均気温)(気温:℃)

01月 02月 03月 04月 05月 06月 07月 08月 09月 10月 11月

12月

平均最高気温 9.2 9.5 12.8 18.6 23.1 26.4 30.5 32.0 27.7 22.4 16.8 11.8
平均最低気温 -0.4 -0.3 2.5 7.8 12.5 17.9 22.3 23.1 19.0 12.2 6.5 1.5

 

 【過去の気象データ検索】 

 気象庁 > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 
 福山市以外の地方の方は、過去の気象データ検索画面で、地点(都府県・地方を選択)と年月日時を選択して、表示するデータの種類を選択してください。 
 気圧(hPa)・降水量(mm)・気温(℃)・蒸気圧(hPa)・相対湿度(%)・風向/風速(m/s)等のデータが表示できます。

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 【薩摩芋のだし】

 薩摩芋の萌芽温度は(25〜32℃)と高いので、芽だししたものを苗床に植えます。 消毒しないでも良い場合もあるが、消毒後、サツマイモの芽の出しかたは、光の当たらない暗い場所に置き、発芽条件に合った温度(25〜32℃)と湿度(80%以上)に保つことです。 お住まいの地域により周囲の気温が異なります。 気温の適切な地域では、プランターに種芋を植え、日当たりの良い部屋に置くと発芽する場合も有ります。 「1項の苗床」で問題なく発芽する場合があります。 発芽が上手くゆかない場合は、正確に萌芽温度(25〜32℃)と湿度(80%以上)を維持する事で、うまくゆきます。 上記福山市の【最高最低気温】を見れば解るように、気温の低い地域では、何らかの手法で発芽条件を作る必要があリます。  芽出しが完了した芋をポリポットに植えて「ポット苗」として販売されているものもあリます。

 【薩摩芋の芽だし事例

 段ボールの底にレジ袋などのビニールを敷き、その上に新聞紙を敷き、種イモを個別に新聞紙で二重に包み段ボールに詰めて、下図100円ショップもある温湿度計等により、薩摩芋の萌芽温度と湿度である 25〜32℃、湿度80%以上を炬燵と霧吹を使用して維持管理すると、容易に発芽します。 

  

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4.薩摩芋のづくり 

 【良い苗とは】

 野菜の苗は太くて元気そうな物が良い苗とされるが、薩摩芋は種類が多く、品種により栄養価や収穫量も異なるので好みの品種を選びます。 薩摩芋を収穫できる苗は、種芋から伸びた蔓を切り取ったもので、芋づる・刺し穂・苗づる等と呼び、通常の野菜苗とは異なり、根のついたポットに入った苗ではない。 根がついていないので、管理状況により分単位で苗の価値観は変わって来るので下記を参照下さい。 自分で作るなら、採苗前までに十分乾燥した空気に当て、乾燥に慣れた苗が良い。 
 苗床から直に苗を採取して持ち帰りたい方には、販売を目的に作っていないので保証はできないが、[百円/1本 ]・[4百円/5本 ]・[7百円/10本 ]、[10本まで/一人]で、お譲りできる場合があります。 【連絡先はココをクリック】

 さつま芋の苗の作り方で、種芋の芽だし後は、2.項で作成した苗床(下図)に 2条で 20〜30cm間隔(間隔が狭いと太い良い苗ができない)に植え、土中の温度: 20〜27℃で育てると、育苗期間は、40〜50日程度で苗が取れます。 種芋から苗を作るのではなく、ポット苗を購入して種芋同様にビニールトンネル内に植え、生育適温の25〜30℃に管理することで苗を作る手法もある。 ツルが長く伸びてくる頃にはビニールトンネル内の温度が上がり、ツルが焼けて枯れるので、トンネル上部の温度が 40〜50℃になる頃には、ビニールトンネルの上部に、半田鏝(100円ショップにもある)で穴を開け、裾は状況に合わせて上に上げる。 ビニールトンネルの上部に穴を開けないで裾だけを上げる手法では、ビニールの裾あたりの土が常に濡れた状態となり、カビが湧き、苗までカビが付着する場合もあります。 適度な潅水は必要だが、やり過ぎると腐るそうだ。
 採取 5〜10日以上前にはビニールトンネルを外しますが、出来れば空気の湿度が高い曇天もしくは雨天を狙って数日かけてゆっくりと乾燥した空気に当てるようにします。 葉が急激に乾燥した空気に当たると萎れ、萎れた葉は枯れてしまいます。

【苗づるの切り取り】

  採苗は、ビニールトンネルを外して風に慣らし、5日以上経過後に実施します。 苗づるをどのように切り取ればばよいか、定植手法により多少寸法の違いはあるものの、サツマイモの苗の取り方は、 ツルが苗として必要な寸法の 15〜30cm、蔓の先端から数えて本葉 6〜8 枚ほどを苗とし、残る葉が 4枚以上となる蔓から苗蔓を切り取ります。 
 下図では、小さい葉(番号14〜18)は無視しします。 4枚以上の葉(番号 9〜13)が残るようにします。 番号 1〜8のついた蔓の先端部分を苗とします。 従って番号 8と 9の間で切り取ります。

 

 最初の採苗は、後で脇芽からも採苗することを考慮して、種イモから出たツルを葉が4〜5枚以上残るように、すこし長く伸ばして切り取ります。 次の採苗は下図のように茎と葉柄の間に出た脇芽を大きく育てて苗として切り取れば多く苗を取れます。 苗を多く取る為に最初の採苗時にツルを長く伸ばして多く採苗出来ても、遅く定植したら芋が大きくなる前に冬がやってくる場合もあり得ます。 

 

 

 出来るだけ早くツルを多く分岐させ苗を多くとるには、ビニールトンネルなどで保温し、苗床を乾燥させないように水をやれば良い。

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 【苗の消毒

 採苗後、苗の消毒は、農薬により実施します。 消毒の手法は、下記『採苗後放置』したあとで、水に浸ける前に実施します。 『ベンレート水和剤』・『トップジンM水和剤』等の『かんしょ(薩摩芋)』の項目(下図)を参照下さい。

   

 上表は、下表の項目欄です。 農薬は発売時期により、記載内容が異なる場合があります。 購入した薬剤の記載に従って使用下さい。

 

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 【採苗後放置

採苗は、ビニールトンネルを外して 5日以上経過後、周囲の空気に慣れた時点で実施します。 自分で作った薩摩芋の苗は、生き生きピンピンですが、薩摩芋の定植は、採苗後直ちに定植しない方が良いようです。 薩摩芋の苗は切り取って暫く経って植えると、定植後の経過が良いようにいわれています。 採苗後定植までどのようにしたらいいか、試した結果は下記をご覧ください。

 1.採苗後( 2〜3時間)放置

Web 上に、公開されていた解説に従って試してみました。 先端から葉柄が 6〜8本の位置で切り取り苗を採取します。 採取した苗は水に浸さず一旦そのまま日陰で 2〜3時間放置して葉をしおれさせます。 その後しおれた苗の茎をハサミで 1p程度切り落としてからバケツなどの容器に入れて深さ:5〜10cmほどの水に一晩もしくは一日入れておく。 これにより苗は種イモの従属から離れて独り立ちすることを自覚するそうで、定植後の発根も早く苗は元気に生長するらしい。 ツルを切り取り後水に浸けるまで長く放置しておくと、下図の場合は 3時間だがしおれた葉は水に浸けても生き返ることなく萎れたままです。 風の通りや湿度など複数の条件に左右され一様ではないと思うが、これを定植すると朝晩水をたっぷり与えても、下図のように葉は枯れ苗先端の成長点まで枯れそうになった。 (パープルスイートロードの定植:2014年05月22日)

数本試してみた。 葉柄は枯れたが成長点(苗の先端)は枯れなかった。 でも、生長点の先端部も枯れそうであった。 その後先端部が伸びて元気に育っている。 しかし、全ての苗をこの手法で試すには勇気がいる。 この通りにしないと失敗するようなことはありません。  Web上ではこれ以外にも複数の手法が紹介されています。 

上記を収穫(2014年10月03日)下図、ツル返しと除草は 2回のみでその後は放置。 土に埋めた 6か所の葉柄部から食べられそうな芋は 11個で、雑草に埋もれても良く育った。 定植当初は枯れて消滅するかと不安であった。 しかし、定植間隔を広く取ったせいもあるとは思うが、結果は好成績であった。 苗の葉が枯れた場合と枯れない場合の比較は[苗の取り置き効果]を参照下さい。  

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 2.採苗後( 30)放置

 薩摩芋の苗の作り方で、ツルを切り取り後、水に浸けるまでに 30分放置して葉をしおれさせる。 と記載されている場合もあり、 その後バケツに深さ:5〜10cm程度の水を入れて一晩水に浸けて置く、より確実には、発根が始まる数日の間(白い根が1mm程度出た状態)、苗の切り口を水に浸して置いたものを、定植する手法もあります。 5mm以上伸びた根は定植の工程で折れる場合があります。 
  ツルを切り取り後放置する 30分は湿度や風の通り方等に左右されるので状況に応じて調整ください。 苗の切り口を一晩水に漬けておくと萎れた葉は元に戻り、定植の翌日が雨天という好条件でもあり、定植後も下図のように葉は枯れなかった。 (定植:2014年06月02日) 
  『植物は、葉の中の葉緑素により、根や葉から吸収した水(H2O)、気孔から吸収した炭酸ガス(CO2)を用いて光合成を行い、土から吸収する物もあるが必要な化学成分は自前で生産している。』 と、習った。 従って基本は葉であろうと思う。 『苗の取り置き効果を比較』(葉が枯れなかったほうが芋の成長が早い)も参照ください。

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 【苗を発させる手法】(元気の良い苗を作る手法)

 薩摩芋の定植は、採苗後、発根もしくは発根の兆しが見えた時点で、定植すると良いように記載された解説書があるので試してみた。 採苗後、置く場所にもよるが、発根しないで乾燥して枯れる場合がある。 発根の手法には、濡れた藁をかけて置く。 濡れた新聞紙をかけて置く。 等が紹介されているが、葉が濡れた藁や新聞紙で覆われていたり、水に浸かっていると呼吸の妨げになり、壊死する場合があります。 手間をかけず乾燥を防ぎ壊死しない様に管理して、元気の良い苗を作るには、バケツ等を使うのがお勧めです。 バケツもしくはインスタントコーヒー等、広口の瓶に数センチの水を入れ、採苗後30分程度放置して葉が萎れた後で、多くの苗を詰め込み数日置くと、蔓と葉柄の分岐点が湿潤な状態なので発根が始まる。 水に浸かている葉は腐るので水に浸からないようにする。 苗の切り口は水に浸かっていて葉が萎れない様にする。 下記『苗の取り置き効果』同様に、水に浸かっていない部分でも蔓と葉柄の分岐点が湿潤な環境となれば発根してくる。 苗の量に比べてバケツが大きい場合は、苗をレジ袋などにくるむと苗の先端部まで湿潤な環境となり発根してくる。 
 この手法なら、上図を見れば解るように、苗の時に付いていた全ての葉が定植後も元気良く活動している。 「採苗後直ちに定植」や「採苗後2〜3時間放置」したもののように、たちまち枯れて消滅するのではないかと、気がかりなこともなく安心でき、葉の枯れたものより収穫時期も早くなります。 

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肥料

 収穫量を多くするには、収穫量の多い品種を選び、下記の a. b. c. d. に注意が必要です。

 土壌pHは、4.2〜7.0とする。薩摩芋は、連作障害が出にくい作物です。しかし野菜は一般的に、連作障害を避けるために輪作します。 薩摩芋の栽培で注意することは、a.肥料を与えるとツルボケして芋が大きく育たないことです。 従って前作で与えた肥料で十分です。 無肥料もしくは、窒素分の少ない肥料を少量で結構です。

チッソ…葉・茎の生育を促進し植物を大きく育てます。
リン酸…花・実付きや品質の向上、根の生育を促進します。
カリ…茎・根を丈夫にし対候性や病害虫への抵抗性を増加させます。

 ふつう植物は、土の中の細菌によってアンモニア硝酸に姿を変えられた窒素を根から吸収して利用している。 窒素固定細菌は、空気中の窒素をアンモニアに変える能力があるため、窒素固定細菌を体内に住まわしている植物は、空気中の窒素も利用することができる。薩摩芋からは窒素固定細菌クレブシエラオキシトーカパントエアアグロメランス)が確認され、窒素固定細菌と同じ場所に住む非窒素固定細菌(エンテロバクターアズブリエ)も確認された。これらの窒素固定細菌と非窒素固定細菌をいっしょに培養すると、そうでない時よりも窒素固定能力が2倍となるそうだ。

 肥料の詳しい解説は『家庭菜園の野菜カレンダー・肥料・農薬・農機具・レシピ』等を参照下さい。

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6.病害虫の予防

 病虫害に遭った野菜は買ってもらえません。 農家は長い経験上病虫害に遭う前に農薬を使用します。 これを予防と云います。 下図はコガネムシケラ等の土中にいる害虫の食害に遭ったものですが、前年芋の表面が害虫の食害に遭い、その周囲が苦くて食べられなかった場合は、予防のために定植前の圃場に『アクタラ粒剤5』・『アドマイヤー1粒剤』・『カルホス粉剤』・『ダイアジノン粒剤3』『ダイアジノン粒剤5』等の農薬を散布して耕耘し、農薬を鋤込んでおくと良い場合があります。 線虫により芋の形状が歪になるなら『ネマトリンエース粒剤』・『パストリア水和剤』などを使用します。 

 サツマイモに多い病気は、黒斑病つる割病軟腐病で、夫れぞれのリンク先を参照下さい。 
土の中にいる害虫の食害やカビにより甘藷黒斑病となったイモは黒緑色から黒色に変色し防御物質で苦味のある物質が合成される。 この物質には哺乳類の肝臓及び肺への毒性があり肺の重度出血間質性肺気腫肺水腫(はいすいしゅ、pulmonary edema)等の症状を引き起こし家畜での中毒死事例が報告されることがある。 従って、黒斑病の芋は人の食用及び家畜の飼料としては使用できない。 定植前の苗基部浸漬用殺菌剤には『ベンレート水和剤』・『トップジンM水和剤』等もあります。
 定植後間もなく地表すれすれの位置で苗先端部や葉柄を食い倒すカブラヤガの幼虫による食害を予防するには『ガードベイトA』など。 薩摩芋には気持ち悪い色の大きな芋虫(直径 1〜2cm×長さ 5〜10cm)から小さいものまで多くの芋虫が付く。 これらはアゲハ蝶幼虫です。 薩摩芋の成長スピードは速く、通常害虫による地上部の食害は問題になりません。 葉が多少食われても気にしないでください。 収穫量に影響が予想されるならコガネムシ類にも効果のある『ディプテレックス乳剤』・『ランネート45DF(メソミル水和剤)』等を散布します。 各農薬に記載された使用方法を熟読後使用ください。 [作物名]に[かんしょ](←薩摩芋のこと)と記載のない農薬は、薬害や農薬残留期間などが不明なため薩摩芋には使用できません。 農薬について詳しくは『家庭菜園の農薬と散布器具』等を参照下さい。 病気・害虫の詳しい解説は[サツマイモ 病害虫]等を参照下さい。 薩摩芋の先端部が枯れる等の整理障害は[サツマイモ 生理障害]等を参照下さい。

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7.苗の取り置き効果と苗の根だし

【薩摩芋採苗後の定植時期】 

 さつまいもの苗を定植する時期(採苗後から植付の時期)は、苗に発根の兆しが見えた時(下図)が植え付け適期だそうです。 

苗の取り置きは、土の乾燥などの不良条件においても、活着や塊根(かいこん・植物の根が肥大生長して塊状となったもの)形成を促進するそうです。 取り置きの期間は、風通しの良い場所や日光の当たる場所を避け、濡らした藁や新聞紙などを掛けて置く。 蔓と葉柄の分岐点が湿潤な状態であるなら、そこから発根します。 気温により異なるので発根状況を見ながら決めるが、おおよそ3〜4月で4〜5日間、5〜6月で2〜3日間が適当であり、増収効果があると云われている。 しかし、採苗時には既に 1〜2cm 根が伸びている物もあり、ポットにさし苗をして確かめたところ発根は下図 7本中左側の 1本のみ遅れているように苗ごとに異なり一様ではなく、長く伸びた根は傷めないように注意が必要です。 根の長さが長いと定植時に折れるので、 5mm以下を目安にしていますが、思い通りにはゆきません。  
濡らした藁や新聞紙などを掛けて置く手法は、試したところ葉が萎れて黄色や茶色になる。 葉が水に浸かっていたり、葉の上に藁や新聞紙が被さっていると葉は腐るようです。 置き場所の選定と藁や新聞紙が乾燥しないように管理するのも面倒です。 

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活力ある発根苗の作り方】

 100円ショップのバケツを使うのが置き場所や保湿管理が簡単。 採苗し 10本程度を束ね 30分後に、切り口付近が水に漬かるようにバケツに入れておくと、萎れた葉は勢いを取り戻し、葉が水に浸かっていなければ腐ることもなく安心できます。 束ねた苗をできるだけ多くバケツに入れておく(苗が少ない場合はインスタントコーヒー等の広口の瓶等に入れておくか、新聞紙などの適当な紙に包んで入れておく)と、苗の周囲全体が湿潤な環境となり、数日置くと水に漬かっていない先端に近い葉柄の根元からも発根が始まります。 下図の場合、30本苗を採取するのに 10分経過、その後 20分日陰に置いて萎れたものを、各30本まとめてバケツに入れています。 下図は、採苗の翌日撮影したもので、萎れた葉が勢いよくピンピンしています。 

苗を消毒する場合は、採苗完了 20〜30分後に、『ベンレート水和剤』・『トップジンM水和剤』等の 500倍液に 20分間、苗の切り口を浸した後で、上記 5〜10cm程度水を入れたバケツ下図に入替て発根やその兆しを待ちます。 都合良く全てが同じにはならないが発根した根の長さは 5mm以下が良い。 根が長いと定植の工程で、根が折れる場合もあります。 

薩摩芋の根は不定根と云い葉柄と茎の接合部に発生します。  上記『採苗後30分放置』の手法で根が数ミリ発根した苗を作るのが苗に傷みが少ないようで、定植後の傷みも少ないようです。 

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 【ポット苗】

3〜 5月には、ポリポット(ビニールポット)に発芽した小さめの芋を入れ、周りに土を詰めて販売している下図のようなポット苗も有る。 この芋をそのまま定植すると芋は大きく育つが、食用には向かない。 里芋のように横に「子芋」や「孫芋」が出来るわけでもない。 通常このポットに入った芋は、芋蔓苗を採取するために、採苗用のビニールトンネル内に植えて、蔓を育てます。 この蔓を切り取り、土に挿し木の様に植えます。 その根の幾つかが太く大きく育ち、薩摩芋となります。

芋づる苗の取り置き効果と根がどのように発生し成長するか確かめるため、風の当たらない日陰で、顆粒状で保水性の良い土を入れたポットに苗蔓を挿し(2014/06/11)て、 3日後(2014/06/14)にポットから抜き出してみた。 下図を見ると解るように根の発生する個所は茎と葉柄の分岐点で、この部分が土など湿潤な場所にないと発根していない。 下図はポットから抜き出しているが数本の根が発根している。 

 ポットに上記のように芋蔓を挿し苗後、ポット苗として販売されているものも有る。 ポットに挿し苗後暫らく置いておくとポニーテールウィッグのように発根(下図)してポット内に納まらないほど根が生えてくる。 

ポット内の根は蜷局(とぐろ)を巻いている。 このポット苗をそのまま定植すると、土や砂などを巻き込み、蜷局を巻いた絡まりあった芋ができる。 従って食用には向かない。 
ポット苗は、ビーニールトンネル内に植えて、採苗用に芋蔓を育てます。  暖かいビニールトンネル内ではツルがドンドン伸びて脇芽も多数発生します。 葉柄が十数枚程度で先端部から苗を採取後、残りのツルから出た脇芽を伸ばします。 脇芽を同様に葉柄が十数枚程度で先端部から苗を採取、このようにツルや脇芽が苗として必要な寸法の 25〜30cm で本葉 6〜8 枚ほどに増えたところでツルを切り取りそのツルを苗とします。 お住まいの地域や平均気温にもよるが、 6月下旬から 7月上旬まで苗を採取して定植できます。  ポットに挿し苗したものを買ってきて、トンネル内で育てると植えた時期にもよるが 20〜60本程度の苗を作れます。 

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8.定植(芋づる苗の植え方)

 苗を苗床から移して、田畑に本式に植えることを定植といいますが、サツマイモの場合、ポリポットに入った通常の野菜の苗とは異なり、芋づるを切り取ったものを植えます。 樹木の挿し木挿し穂のようです。 自分で切り取った苗蔓や、買ってきた苗蔓が発根もしくは発根の兆しが見えたときに定植します。 この苗蔓からサツマイモを育てるには、平均気温18℃以上で、霜の下りない5月上旬〜7月上旬に苗蔓を植えます。 因みに、15℃以下で早植えすると苗の活着が悪く、その後の生育も悪い。 35℃以上だと根の組織が木化していも数が少なく、ごぼう根となるそうだ。

【薩摩芋の地域別定植時期】

 沖縄では、 4〜9月。九州・四国・中国などの暖地では、5〜6月。寒冷地では、 6月。  詳しくは『薩摩芋の植え付け時期 暖地 中間地 寒冷地』などを参照ください。 

 園芸センター等で販売されている芋づる苗は、萎れて黄色や薄茶色に変色した生ごみのようなものも販売されている。 芋と会話できないので解らないが、 Web上に記載のある『薩摩芋の苗の植え方』には、生ごみ同様の状態にして定植すると良いように書かれたものも有る。 『薩摩芋苗の取り置き効果』は確かにあるようだが、どう解釈すべきかは、人により異なるようです。 複数の手法で試した結果を記載していますが、他の手法もあると思います。 良い手法があれば教えてください。 

 家庭菜園で種イモから採苗ができるよう条件を作るのは上記のように簡単ではなく、種イモから出ているツルの状態で採苗時期が左右されます。 予約販売などで毎年自分の好みの良い苗を良い時期に購入できる場合は、販売されている苗を購入して植えるのが経費も手間もかからず得策です。 何れも、苗の採取時期や購入時期、天候によって定植日時は左右されます。 前作で肥料を使っているなら使わないようにします。 コガネムシ類の幼虫予防をし耕耘しておきます。 事前に天気予報を確かめて雨天の前日に日が陰ってから定植するか、水遣りのできない畑では雨天に定植します。 先生方にノウハウを教わっても、このようにお天道様は勿論のこと思うようにはゆかない。 でも、安心してください。 薩摩芋の苗が枯れた、この写真をご覧ください。 葉が本当に枯れたように見えても茎が生きているなら、何処にも負けない程度に収穫できました。 薩摩芋を植えるには、前述の様により確実な手法で定植できれば良いが、ある程度いい加減でも大丈夫なのです。 薩摩芋の生命力は、驚嘆に値します。 より早く、より多く収穫するにはそれなりに手間をかけたり、技も必要です。 色々試して、環境や圃場に合った手間のかからない手法を会得して下さい。 

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プランター栽培】

 Web上を調べると、プランターで栽培することも可能なようです。 土の種類・芋の種類・植える時期・蔓の伸ばし方・掘り出す時期などにもよるが、深さ:30cm以上(必須条件)・幅:30cm以上・奥行:30cm以上あれば、1本の苗を植えることができます。 プランター栽培では土中水分を一定に保つように管理して下さい。 ツルを地表やコンクリート舗装面に這わせると気温を下げる効果があります。 地表が緑に変わることで癒されます。  プランターの代わりに漬物容器を使用したら、収穫が遅れたのと芋が育ちすぎで、漬物容器が割れてしまった。 地表部分の蔓が占有した面積は畳 4枚分程度であった。 蔓が良く育つと芋も良く育つようです。

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【圃場と定植寸法(土に埋める部分)】

 薩摩芋は湿潤な土地が嫌いです。 吸水性の良い土地に植えてください。 畝幅:60cmなら1条植え、下図畝幅:1mなら2条植えられます。

 

 苗の間隔は 30cm〜60cm 間隔(間隔が狭いと芋が大きく育たない)で、約 5〜7cm 程度土を掘り苗ツルを入れて少し凹んだ状態になるように土をかけ、凹んだ部分(ウオータースペース)にできるだけ早く水をたっぷり与えます。

 

  雨が降らなくても、2〜3日朝晩たっぷり水を与えると早く活着します。  水遣りのできない畑では雨天の前日や雨天に定植します。 ツルを切り取り後、水に浸けるまでに 30分放置して葉をしおれさせ、バケツに 5〜10cm水を入れ一晩水に浸して置いた苗が下図で、上記の『苗の取り置き』手順は省略しています。
 苗は先端部(生長点)と全ての葉が地表に覗くように植えます。 苗の植えつけ手法も色々あり、そのやりかたで芋のつきかたが変わります。 下図で『水平植え』の事例が、芋の大きさが揃う収穫量の多い手法です。 土に埋めた葉柄部の根元から多くの根が発生しますが、
芋として太く成長するのは各葉柄の根元から例外もあるが 1〜2個程度ですから、土に埋めた葉柄の根元の数で取れる芋の数が左右されます。 地上の蔓の育ち方などにも影響されるので、苗が長く土に埋めた葉柄の数が多くても芋の数や重量が多くなるとは云えません。 埋めた葉柄の数が少ないと大きな芋ができるようです。 包丁で切ることもできない大きな芋を作ると『押し切り』を買ってこないと調理できない。後で困ることになる。 
 緑色植物の行う光合成から、蔓の先端 1cm程度と葉の全てを土に埋めないようにする。 苗の数を早く多く作るには苗を短く採取する(6〜8葉程度)。 短い苗から食べやすい大きさの芋をできるだけ多く収穫するには、蔓を深さ 5〜7cmで水平に出来るだけ長く土に埋める。 

【定植手法の図解】

水平植え(黄色が土で苗を埋める部分)

船底植え(黄色が土で苗を埋める部分)

斜め植え(黄色が土で苗を埋める部分)

垂直植え(黄色が土で苗を埋める部分)

斜め植えや垂直植では、火挟み(炭ばさみ・ゴミ掴み)で苗を撮んで差し込む手法や、植える位置に先に水を遣って暫く置き、適当な棒を差し込んで抜き、その穴に苗を差し込む手法などがあるようです。 

水平植え(船底植え)の事例 

移植鏝で 5〜7cmの深さに植え溝を作り、水平もしくは船底状で、苗の先端 1cmと全ての葉は土に埋めないように出来るだけ長く土に埋める。定植後は出来るだけ早く水をたっぷり遣る。 

採苗後30分萎れさせ、その後 1晩 5〜10cm水を入れたバケツに浸けて置き、『苗の取り置き』手順は省略して、上図の様に苗の先端部がやっと覗く程度に水平植えしたのが、翌日雨天のせいでもあり一旦葉は萎れたが元気を取り戻し、枯れた葉は一枚も見当たらないように活着してドンドン成長を続け、先端部が 20cm も伸びているのが下図です。 

からから天気が続いても、 採苗後発根した苗を植えたのなら 2〜3日たっぷり水をやれば、葉の全てが枯れるようなことはない。 葉が枯れても大丈夫、例外もあるが通常は茎の部分まで枯れる事はないのでやがて芽が成長を始めます。 多少芋の成長が遅れるだけです。 運悪く枯れてしまった場合は元気のいいものから採苗して植えてください。
植え方の更に詳しい解説や図解などは、『さつまいもの植え方 水平植え・船底植え・斜め植え』等を参照下さい。

葉の食害痕が目に付くようなら、ナカジロシタバハスモンヨトウの幼虫などが発生して葉を食害しているためです。 補殺程度でよい場合もあるが、特にナカジロシタバが大発生すると短期間のうちに葉脈だけを残して食べつくすため、収量・品質の低下が懸念されます。 コガネムシなどにも効果の有る薬剤散布で予防します。 
下図のように葉柄や蔓先端部が地表すれすれの位置で食い倒されている場合は、カブラヤガの幼虫が土の中の地表から 1〜2cmの所で食害箇所の近くに居ますので掘り出して捕殺します。 下図のように蔓先端部が食害に遭った場合は、捕殺後放置しておけば脇芽は出てくるが、定植して間もない時期なら、別に苗があれば新しく苗を植え替えたほうが良いようだ、葉柄の場合は多少芋の成長に影響はあるが捕殺後放置で仕方ない。

 土中で食害されている場合は、多分ケラもしくはコガネムシの幼虫なので、定植前に農薬を全面土壌混和で予防する。 定植後なら捕殺後作条処理で防除できる場合が有る。

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葉苗の定植】

芋蔓の先端部を千切って蔓を2葉ずつになるよう切って植えると収穫量が増すと云う事例(下図)もあるようなので試してみた。(定植:2014年06月02日) 

下図のように、 2葉苗でも問題なく発根して脇芽が伸びてきます。

上記、葉柄 2本でツルを切り取り植えたもの下図安納芋 2本を試掘りした。下図の写真は 2株並べている(2014年10月03日)。   試した結果、土に埋めた葉柄の付け根(茎との分岐点)から根は多数発生し、芋の種類や蔓が十分に広がる環境の場合など、複数の条件の考慮を要すが、 b.芋として太る根は各葉柄の付け根から 1〜2個で、多くても3〜4個のようです。 多く芋が付いても定植間隔が狭いと芋が太りません。

下図は、 1葉柄の付根から 4個の芋が付いている事例。

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【苗の取り置き効果を比較

苗の取り置き』と同等の条件である顆粒状で保水性の良い土を入れたポットに挿し苗をして風の当たらない日陰に置き、 3日後にポットから抜き取り定植した安納芋下図左側と、採苗後水に浸すことなく10分以内に即定植した安納芋下図右側を対比してみました。 どちらも定植後3日間は朝夕たっぷりと水を与えた。 下図は定植後3日目の状態です。 右側苗の葉は萎れているが苗先端部は萎れていない。  その後萎れた葉は全て枯れた。 薩摩芋の苗は枯れても、先端部が伸びて問題なく成長しています。 (定植:2014年06月14日) 当然と想うが、下記のように葉の枯れた方は芋の成長が遅れるようです。 

下図は、上図『苗の取り置き効果を比較の左側』を、2014年10月03日に試掘り。

1例のみを比較してもどうかと思うが、下図は、上図『苗の取り置き効果を比較の右側』を、2014年10月03日に試掘り。 上図と下図のスケールを見ればわかるように比較するには写真の撮り方は悪いが、切り取った苗は発根後に定植した方が芋の成長が早いといえる。 採苗後、直ちに新鮮ピンピンの苗を植えても結果は良いとは言えない様だ。 

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葉苗】

茎を葉柄と葉柄の中間点で 1葉ずつに切り分けて採苗長さによる発根・発芽を調べてみた。 採苗時に脇芽の出ていないもの、採苗時には既に長く脇芽の伸びたもの等もポットに植えてみた。 下図のように脇芽の出ていないものでも土を押しのけて発芽してくる。 ポットの下穴からは発根しているのが確かめられた。

これらも定植してみた。結果は土に埋めた葉柄の付け根部分から多数発根し、例外もあるが、1葉柄毎に芋として太るのは 1〜2個程度であることに変わりはないようだ。

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9.薩摩芋の育て方(薩摩芋の作り方)

 定植後、ツルが伸びてくるとツルの途中から幾らでも脇芽や根が出てきます。下図の場合脇芽は確かめられるが根は見えない。しかし、ツルを持ち上げると発根した根が地中に伸びているのを確かめることができる。

【採(薩摩芋の苗が数倍になる苗の増やし方)

 ご自分で、苗床から苗を採取した方は、苗床の脇芽を苗として採取すれば良いが、苗を買ってきて定植した方も、苗を増やすことができます。 上図をご覧ください。 苗を定植後のツルから脇芽が伸びています。 このツル先端部もしくは脇芽を苗に良い長さである 25〜30cmで本葉6〜8枚ほどで切り取り、それが 6月末までなら苗にできます。 お住まいの地域にもよるが 7月上旬なら大丈夫という方もいます。 少し手を加えるだけで、買ってきた苗の数倍の苗を植えることが出来ますので試して下さい。多少脇芽を取り除いても芋の収穫量に変化はないようです。 苗の数が増えるわけですから、当然収穫量も、2〜3倍以上になる場合があります。苗採取用に別にビニールトンネル内に植えておくか、苗の採取が終わるまでビニールトンネルをかけて、サツマイモの育苗に必要な温度である 20〜27℃の環境を維持すれば、更に多くの苗を取ることもできます。

  5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
定植                            
手入れ                            
収穫                            

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手入れ

 肥料の多い畑では、蔓ボケして芋が付きませんから追肥は不要です。 c.ツルの途中から出た根が土に入るのを放置していると芋が大きく育ちません。 夏の強烈な日光の下で育つのが薩摩芋ですが、雑草に埋もれてしまうと芋が大きく育ちません。 除草剤には、トレファノサイド粒剤2.5バスタ等もあるが、除草を兼ねてツル返し(植えた畝の全てのツルを片側に引き倒してゆき、しばらく置いて反対側に倒してゆく)を2〜3回実施し茎の途中から出て土に入った根を土から抜き取ります。蔓が千切れない様に注意して実施します。

 

 芋が肥大してくると土の表面に亀裂が出来て、放置しておくと芋が害虫や野鼠の食害にあうのでツル返しと同時に出来れば土寄せをします。 黒いビニールのマルチをするとツル返しをしなくてもよいようです。 つる返しが難しいほど生育したのなら長い部分を切り捨てます。薩摩芋の葉柄はきんぴら等に調理して食べられますが、盆栽の様に切り込むと当然芋は付きませんので、出来る限り蔓や葉を切り取らないで下さい。 植え付け後、数日を経過して苗が活着してからは、薩摩芋に水遣りは不要と云われていますが、からから天気が続きその後雨が降ると、土中水分が大きく変動し 9割以上の芋に亀裂が入りほとんど収穫できない場合もあります。 天気予報で晴天が長く続く場合は、周囲の土を掘って土中水分を確かめるか、水分・酸度計』等で計測し、乾燥が著しい状態になる前に水遣りが必要です。

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10.薩摩芋の収穫

【試した結果】

 この程度の条件や観察で結果を評価してもどうかと思うが、採取した苗を日陰で 3時間放置して、葉をしおれさせてから水に浸した苗からは良い結果が出た。 しかし、葉は全て萎れて枯れてしまいそうで気が気ではない。 当然のことだが、苗のときついていた葉が枯れたものと枯れないものでは芋の成長に差が出る。 色々試した結果、苗の取り置き手法は色々あるが効果は良いようだ。 葉柄の付根部分のみから複数の根が発生する。 根が多く出ても、芋として育つ根は例外もあるが各葉柄部毎に1〜2個である。 下図の畝で土に埋めた苗の中央部の条間(列間) 60cm で 2条に植えた。 苗の定植間隔を 30cm とした。 その前年度は 1 条植えで間隔を 50cm に植えていたせいか、芋は早く大きく育っていた。 d.苗の定植間隔が狭いと芋は大きく育たないようだ。 定植が遅れた場合は、定植間隔を広くすると大きく育つが単位面積当たりの収穫量は疑問だ。 大き過ぎると調理するのに困る場合も有る。 日照不足でも育ちは悪いが、お天道様はどうすることもできない。

 

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【収穫時期】

 薩摩芋を初めて植えると、バケツに一つしか入らないような大きなものに育つ場合があります。 物には丁度良い大きさと云うものがある。 大きすぎては包丁で切ることができません。 押し切りが必要になります。 通常、薩摩芋は掘り出して数週間しないと薩摩芋本来の甘味が出ません。 試掘りで芋の大きさを確かめて早めに収穫します。今年(2014年)は芋の育ちが悪いので遅く収穫しようと思っていたら前年度11月の気温を確かめたが、天気予報を見ると今年は早く気温が下りそうである。下図は 2014年11月04日の天気予報で 朝 06時の気温が 5.4℃ である。

 

経験上天気予報で 5℃ 以下なら霜が下りたことがある。  2014年11月04日霜は下りなかった。 下図は朝 06時45分朝日の当る前に畑の土の上で測定した温度で硝子柱の温度計(下図右)では 1.3℃ である。 (アルコール温度計も水銀温度計も、一目盛りが 1℃ タイプなら ±2℃ 以内の精度を保っている。 実際は、±1℃ 以内で出荷されているそうだ。)

 

 2014年の初霜は11月14日であった。 蔓は霜に会うと枯れます。 芋は、10℃ 以下で、ある程度時間が経過すると腐るので、小さくても霜が降りたら、全ての収穫を完了するようにします。 薩摩芋は、掘り出して2〜3週間しないと薩摩芋本来の甘味が出ない。しかし、10℃以下なら腐ると言われているので、保存温度に注意が必要です。腐る理由は、温度だけではなく、湿度・傷・カビ・黒腐病菌・軟腐病菌等が原因の場合もある。

 小さ過ぎる芋は、冬でも暖房のある部屋なら水耕栽培でガラステーブルの下の棚に置くと、やがて複数の芽が出て成長し癒されます。(多分この芋のツルは育つが芋は大きく育ちません)屋内に置いておくと葉が枯れ落ちてもツルが生きていて来春にはこれから苗を作れる場合もあります。 

【薩摩芋による黒い汚れやネバネバの落とし方

 芋掘りや調理などでさつまいもの白い汁がつくといつまでもネバネバします。 出来るだけ早く水洗いするか、アルコールやシンナー(ペイント・シンナー)などを布か紙タオルに染ませて拭けば取れます。 
 衣服には付けないようにするか汚れてもよい服で作業します。 台所用の洗剤をつけて洗うか、塩素系漂白剤に、シミの部分だけをつけるとシミが溶けだして取れます。 つける時は塩素系漂白剤の原液を、綿棒などで点付けするようにつけます。 その後の濯ぎは十分に実施します。 色柄物は、食酢を薄めずにつけてしばらく置き、濯ぎます。 薄いものなら落ちる可能性があります。

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11.薩摩芋のべ方(調理方法)

 薩摩芋の調理方法は『薩摩芋のレシピ』・『薩摩芋の葉柄のレシピ』等を参照下さい。 薩摩芋は別名を甘藷(かんしょ)云うので、本来は甘い芋のはず。 しかし、食べてみると期待したほど甘くない場合があります。 収穫して、3〜4週間経過後に調理すると美味しいそうです。 薩摩芋の苗などを販売しているところに行くと、どれもこの薩摩芋が一番美味しいと云う看板が出ています。 サツマイモの品種による糖度の数値に大きな差はないようです。 薩摩芋は品種により調理方法がある程度決まっています。 調理の仕方によってはその薩摩芋本来の甘味を引き出せない場合があります。この甘味を最大限引き出すには、薩摩芋の種類によって調理方法が異なるも、さつまいもの加熱方法にコツがあるようです。さつま芋の甘味は、さつま芋に含まれる「β-アミラーゼ」という酵素が、「でんぷん」を分解して「麦芽糖」に変えるためです。この「β-アミラーゼ」は熱によって分解力が変わり、さつま芋の甘さを最大限引き出すのに適当な温度は、『甘藷の加熱調理に関する研究』よれば大体 60〜70℃前後のようです。これを知った貴方は薩摩芋料理の魔法使いと云われるかも・・・。

[電子レンジで簡単に美味しく調理する方法]

 薩摩芋は、「たわし」を使って奇麗に洗う。
 薩摩芋の重量を量り、10で割る、少数以下は切り上げ。←これを加熱分数とする。(1本でも数本でも本数には関係なく、一度に加熱する合計の重量。)
 ラップにくるむか、レンジ可のタッパーに入れ、150W で加熱する。(ラップに包む場合もタッパーに入れる場合でも、個別もしくは複数個一緒にしても良い。)
 「チン」と鳴れば完了です。 (タッパーでは、温度が下がらないうちに取り出さないと、タッパーが変形する場合もあります。)


 「さつまいも品種糖度比較

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12.キュアリング処理と貯蔵

 貯蔵期間を延ばすために,収穫した作物を貯蔵前に一定期間高温多湿の条件下に置いてコルク層を発達させ、収穫時にできた傷口をふさぎます。 これはおもに種いも用のサツマイモを貯蔵する場合に行っています。サツマイモの貯蔵適温は 12〜15℃ 貯蔵湿度は 80〜90%ですが、はじめからこの温度と湿度で貯蔵すると、収穫時にできた傷口から黒腐病菌や軟腐病菌が侵入して多くのいもが腐ってしまうので、貯蔵に先立って 4〜5日間、温度を30〜35℃ 湿度を90〜95%に上げてコルクの形成を促し傷口がふさがってから温度 12〜15℃ 湿度 80〜90%で貯蔵します。この処理のことをキュアリング(curing)といいます。 当初キュアリング処理温度は、35〜36℃とされていたが、黒斑病がほとんどなくなり、高温が後の貯蔵に好ましくないことから、現在は30℃で処理されているようです。
 小生の場合は、キュアリング処理をしません。薩摩芋を水洗後乾燥させ、
段ボールの底にレジ袋などのビニールを敷き、種イモを個別に新聞紙で包み段ボールに詰めて、上図 100円ショップにもある温湿度計により、薩摩芋の保存温度と湿度である 12〜15℃ 湿度 80〜90%で炬燵や霧吹により維持して保存します。 冷蔵庫の上で保存できる場合もあるようです。 
 詳しくは『日本いも類研究会』→『さつまいもMiNi白書』→『栽培技術』→『7.貯蔵』と順にたどって参照下さい。

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13.薩摩芋の種類と特徴、育て方など

 薩摩芋は世界に4000種あるといわれています。 薩摩芋は調理方法に合わせて品種を選ぶとより美味しくいただけます。 品種毎の特性や育て方調理方法などは下記を参照下さい。 葉や葉柄を食べる、[茎葉利用品種]の葉取りサツマイモと言うものもあリます。 

アケムラサキアメリカアヤコマチエレガントサマー[茎葉利用品種オキコガネ紅あずま高系14号紅こがね紅あか紅乙女クイックスイートコナホマレサツマスターチサツマヒカリサニーレッドジョイホワイトジェイレッド翠王(すいおう)[茎葉利用品種タマアカネタマオトメダイチノユメトキマサリハイスターチハマコマチハルコガネヒメアヤカフサベニヘルシーレッドベニコマチベニマサリホシキラリ紅さつま上海紅鳴門金時五郎島金時宮崎紅大栄愛娘紅はるかクイックスイート紅天使シロサツマシロユタカ隼人芋にんじん芋黄金芋安納芋安納紅(あんのうべに)安納もみじ灯籠蜜いもフルーツこがね栗こがねこがねせんがんこがねむらさき綾紫新紫紫宝ナカムラサキ山川紫(やまかわむらさき)種子島紫種子島おいらん土佐紫アヤコマチカイアポ芋シモン芋カレンことぶきパープルスイートロード種子島紫ナカムラサキ紅芋京甘藷喜界紫みついもムラサキマサリ

  ・ さつまいも 品種 特性

  ・ さつまいも 品種 比較

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14.薩摩芋の効能

 風邪の予防や疲労の回復、肌荒れなどに効果があるビタミンCがサツマイモには多量に含まれ、でんぷんに守られて加熱しても壊れにくいそうです。
 サツマイモを傷つけると出てくる白い液体がヤラピンという成分で、古くから緩下剤としての効果があり、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促し便を柔らかくします。 サツマイモに含まれる食物繊維をとることで、両方の相乗効果により便秘の改善が期待できます。
 味の濃い美味しいものには塩分が多く含まれており、塩分の過剰摂取は、長期的には高血圧や腎疾患、心疾患などにつながりますが、サツマイモに豊富に含まれるカリウムにはナトリウム(塩分)を排泄する役割があります。 
 活性酸素はさまざまな老化現象を起こす真犯人ではないかと考えられており、サツマイモに含まれておるビタミンEには抗酸化作用があり、体内の活性酸素を減らします。
 紫さつまいもの塊根は、加熱に強い高濃度のアントシアニン色素を含んでおり、視機能の改善、生活習慣病(高血圧心臓脳疾患糖尿病アルツハイマー等)の予防効果のあることが報告されてきている。 下図は「綾紫」の写真です。 安価に無理なく毎日大量にアントシアニンを摂取するには、これ以外無い云えそうです。 ブルーベリージャムやサプリメント等と比べると、考えるまでもなく、まったく話にならないことに気づきます。
 ドライアイ用の目薬を使っても効果がなく、病院に行ったけどドライアイが治らなかった。 目が乾燥して困っている方や、朝、顔を洗っても目脂で上下の瞼がくっついて離れない方。 スマホやパソコンを長時間使用で、近いところが見え にくくなるスマホ老眼の改善に『100円メガネ健康法』等も有るようだが、毎日下図の一切れ50g(Mサイズの卵は正味 約50g、殻つきでは58g〜64g未満)程度を30日続けると治る場合があります。 

 カンショ(薩摩芋)の葉身部には、眼病予防に有効と言われる成分のルテインが多量に含まれる。
 さつまいもは白米などよりもカロリーが低く、しかも腹持ちがよく栄養(下記参照)のある 食品です。 食物繊維が多く脂肪や糖の吸収を抑えて血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。 そのため、食事のはじめに食べると太りにくくなるそうですが、食べ過ぎればカロリーオーバーになるのは必至。 食べた分だけどんどんやせる、というものではない。

五訂日本食品標準成分表でみるサツマイモの栄養成分量
サツマイモ生可食部100gあたりの成分

エネルギー 132.0 kcal
水分 66.1 g
たんぱく質 1.2 g
脂質 0.2 g
炭水化物 31.5 g
灰分 1.0 g
食物繊維 2.3 g

ビタミン

カロテン 23 μg
E 1.6 mg
K 0 μg
B1 0.11 mg
B2 0.03 mg
ナイアシン 0.8 mg
B6 0.28 mg
葉酸 49 μg
パントテン酸 0.96 mg
C 29 mg

無機質

ナトリウム 4 mg
カリウム 470 mg
カルシウム 40 mg
マグネシウム 25 mg
リン 46 mg
0.7 mg

薬食同源

 医食同源(いしょくどうげん)とは、日頃からバランスの取れた美味しい食事をとることで病気を予防し、治療しようとする考え方。
 「医食同源」という言葉自体は中国の『薬食同源思想』から着想を得て、近年、日本で造語された。この言葉「医食同源」は発想の元になった中国へ逆輸入されている。

 薩摩芋の成分:主成分はでん粉ですが、低カロリーで各種ビタミンやミネラル類も豊富に含まれており、長寿食品と云われています。 また、セルロースペクチンといった食物繊維が非常に多く含まれているのが特徴です。 たんぱく質と脂肪を補給すれば、理想的な食事となります。 便秘・風邪・暑気あたり・しもやけ・鼻血の止血などに効用や効能があるようです。

 がんを克服するための新常識サイトマップ 

 どんなものにも表があれば裏がある。 不食の人が生きていける理由や、草しか食べない草食動物が筋肉やカルシウムを生み出す仕組みなど現代の栄養学では説明できない現象を『セルロースの分解菌』の作用を考慮すると説明できるそうです。
 『薩摩芋 窒素固定細菌 パプアニューギニア高地人』などをご覧ください。

農林水産省 > 組織・政策 > 白書情報 > 平成18年度 食料・農業・農村白書 > 平成18年度 食料・農業・農村の動向 > 第1部 食料・農業・農村の動向 > トピックス > 1 食料自給率向上の意義と効果 > 国内生産のみで2,020kcal供給する場合の1日のメニュー例

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